CIPPIアワードとは

 

この制度は2005年から2012年まで運営されていました。


CIPPIアワードは、工程自動化技術導入によって優れた業績を収めた印刷会社*や出版業者†、プリプレスサービス業者などを表彰することを目的として設立されました。CIPPIアワードは、ドイツのダルムシュタットにあるフラウンホーファー研究所の故ユルゲン・シェーンハット氏にちなんで、命名されました。シェーンハット氏は、CIP4設立メンバーの一人で、CIP4とその前身であるCIP3の設立に大きく貢献しました。毎年CIP4アワードは、下記項目を対象に優れた業績を収めた印刷会社、出版業者、プリプレスサービス業者のうち1社に対して授与されます。

  • 工程自動化技術を導入し、革新的に活用した事例
  • 工程自動化技術を導入し、コスト削減と利益向上を実現した事例
  • 工程自動化技術を導入し、効率改善と顧客満足を実現した事例

応募資格者は、印刷会社、出版業者、プリプレスサービス業者、またはその代理としてのサポート・ベンダーなどです。応募者の中から、応募書類の内容が評価された企業がCIPPIアワードを受賞し、認定証明書を授与されます。

募集の流れ

毎年12月に募集を開始します。応募書類はWordファイル形式で作成し、翌年4月末までに提出してください。受付終了後、事務局員がすべての応募書類を事務局長へ提出します。事務局長は、CIPPIアワード選考委員会における投票権のない議長として応募書類を確認します。事務局長の任務は以下の通りです。

  • 明らかに不適格な応募書類を却下。
  • 応募書類の内容に不足や不明確な点があった場合、追加説明を要求。
  • すべての最終選考書類をCIPPI標準に従って作成し直し、評価用の書類として整理(詳細は、CIPPIアワード受賞者を参照)。
  • 事務局員へ評価用の書類を送付。

事務局員は、評価用の書類を選考委員会へ配布します。選考委員会は、投票権のない議長と、5名の審査員で構成されます。審査員の選考は、CIP4理事会が対象分野の理解度と業界における地位を考慮して行います。(詳細は審査員の経歴を参照)。各審査員は、応募書類を受領後3週間以内に、以下の基準(重要度の順)に基づき、CIPPIアワードの各3項目に対して1社ずつ選出します。

  • 対象項目の特定要求事項を満たしているか。
  • 全体的な応募要求事項を満たしているか。
  • (想像上ではなく)実際にテーマや事例が最適であるか。
  • 指定の導入標準(JDF、PrintTalkなど)を適用しているか。
  • 2社以上のベンダーからのシステムおよびソフトウェアを導入しているか。

各項目において最も得票数の多い応募企業が第1席受賞者、2番目に多い得票者には特別賞が授与されます。1つ以上の項目において同得票数である場合は、事務局員によるオンライン投票が実施され、審査員は1週間以内に投票を行います。

受賞者は、各所在地において、CIP4の代表(審議会またはスタッフ)からそれぞれ表彰を受けます。CIP4は授与日と同日に、第1席受賞者および特別賞受賞者に関するプレスリリースを発表します。CIP4のウェブサイトでは、過去の受賞者のリストを閲覧できます。また、すべての応募者に関する保存記録も一般公開されています。

応募費用は150USドルです。この費用は、賞の授与に関する諸経費や管理費として使用されます。注:受賞した印刷会社、出版業者、プリプレスサービス業者、またはそのサポート印刷会社などで、受賞トロフィーがさらに必要な場合は、一部350USドルで注文できます。受賞トロフィー代金、取扱手数料、送料などが含まれます(詳細についてはSecretariat@cip4.orgまでご連絡ください)。受賞トロフィー(右画像を参照)は高さ14インチ、幅6インチ、重さ8ポンドです。

応募書類

応募書類は、10ページ以内にまとめ(表紙ページは含みません)、フォーマットに従い記入してください。必要記入事項は各項目とも下記の通りです。

  • 選択した項目
  • 応募書類を提出する担当者の名前、役職名、会社名、住所、市、州/省、郵便番号、国名、電話番号、Eメールアドレス
  • 受賞した場合の、受賞担当者の名前、役職名、会社名、住所、市、州/省、郵便番号、国名、電話番号、Eメールアドレス。担当者は、印刷会社、出版業者、プリプレスサービス業者に属する人物であること
  • 応募対象項目で使用しているJDF対応ソフトウェア、システム、機器製品のリスト。メーカー名、製品名、型式・バージョンも記載のこと
  • 前述の各製品について、主に顧客への技術、販売、カスタマーサービスの窓口となるメーカー代理店の名前、役職名、会社名、住所、市、州/省、郵便番号、国名、電話番号、Eメールアドレス
  • 応募対象項目のワークフロー環境および導入前の状況についての詳細
  • 印刷会社、出版業者、プリプレスサービス業者の目標および動機についての詳細。目標達成に至った実施基準に関する説明など
  • ソリューションの選考プロセスについての詳細。代替方法および決定的要因など
  • 導入に向けた取り組みについての詳細。スケジュール、参加者、決定経路/画期的な実績、克服した障害(もしあれば)、トレーニング、試験など
  • 最終的なワークフローについての詳細。適用したワークフローまたは工程図など

各応募項目の特定必要事項

  • 工程自動化技術を導入し、革新的に活用した事例工程が革新的である点の詳細説明。その工程が独創的かつ斬新である理由説明。従来の方法との比較や、新工程の革新性により生み出される主な利点の説明。
  • 工程自動化技術を導入し、コスト削減と利益向上を実現した事例ハードおよびソフトのROI(投資収益率)要因の定量分析について、その結果予測および実施結果。損益分岐点分析、ハード要因に関るIRR(内部収益率)/NPV(正味現在価値)の定義、ソフトによる利益向上の実現に関するユーザまたは顧客からの詳細評価例。
  • 工程自動化技術を導入し、効率改善と顧客満足を実現した事例コスト削減、対応時間短縮、受注から納品までの所要時間短縮、顧客満足度改善、人件費削減、その他改善した効率や顧客対応の要因を実際の数値を用いて説明。

応募者の審査

選考委員会は、下記要求事項・基準に従って各応募者の比較審査、投票を行います。

一般要求事項

下記のような事例の完全な情報

  • 導入前の環境
  • 導入前の目標や方針
  • 選考プロセス、導入方法、試験方法、結果

特別要求事項・基準

  • 工程自動化技術を導入し、革新的に活用した事例」の項目では、工程が革新的である点の詳細説明を行ってください。説明には下記を含めてください。
    • 工程が独創的かつ斬新であるという理由
    • 旧工程との比較
    • 新工程が革新的であることによる主な利点

    審査内容

    • 使用している情報・特徴
    • JDFの導入により事業が受けた影響
    • ワークフロー/業務工程段階に対する影響
    • 享受した利益内容(コスト削減、付加価値の増加、顧客へのサービス拡大など)
  • 工程自動化技術を導入し、コスト削減と利益向上を実現した事例」の項目では、以下を含むハードおよびソフトのROI要因の定量分析について、その結果予測および実施結果に関して説明をしてください。
    • 損益分岐点分析、ハード要因に関するIRR/NPVの定義
    • 人件費の削減
    • ソフトによる利益向上の実現に関するユーザや顧客からの評価例

    審査では、導入した製造段階に関する記述を評価対象とします。

    • 材料の削減
    • 所要時間の短縮
    • 品質の向上による削減効果
    • 最終的なコスト削減効果および売上高・収益性の向上
    • 顧客維持(重要性は比較的低い)
  • 工程自動化技術を導入し、効率改善と顧客満足を実現した事例」の項目では、「効率」とは、システムにおいて最短時間で損失を最小限に抑え、最大量の業務を処理することを意味します。以下の改善点について、実際に数値を使用して説明してください。
    • 対応時間
    • 受注から納品までの所要時間
    • 顧客満足度の改善
    • その他の効率や顧客対応に関する要因

    審査内容

    • 見積依頼、製造状況に関する報告書、在庫管理表など、顧客要望への対応時間
    • 顧客からの受注増加量
    • 管理費の削減

* 「印刷会社」とは、一般的な商業印刷物、出版物、包装印刷物などの枚葉給紙印刷、ウェブ印刷、デジタル印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷など、あらゆる種類の印刷会社を対象とします。

†「出版業者」とは、カタログや新聞、雑誌、書籍、商業出版物などあらゆる種類の出版業者を対象とします。