JDF基本解説

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はじめに


JDFはXML(Extensible Markup Language)をベースとしていますが、全てというわけではありません。XMLは、既に広く認識された言語であり標準となっていることから、JDFの基本標準言語に選ばれました。Java、 C+、.NETといったプログラムミング言語のAPI(Application Programming Interfaces)は直接XMLをサポートしています。また、市場に出回っているXMLツール、データベース等は数多く存在します。例えば、XMLはバックオフィスシステムとウェブサーバ間のコンテンツ伝達に関するすきま市場を開拓し、幅広く使用されています。

XMLは構文データおよびデフォルトデータの種類に関するルールを提供します。しかし、XMLだけでは十分ではありません。XMLでは、XMLの「インスタンス」をチェックまたは「検証」するための文書タイプ定義およびスキーマの定義は必要ありません。検証は多くのアプリケーションで必須であり、特にデータがデータベース(ワークフローおよびMISシステムのバックにあるデータベース)にインポートされる場合は重要となります。JDFはワールドワイドウェブコンソーシアム(W3C)のXMLスキーマ勧告をベースとしています。スキーマを使うとJDFは検証が可能となり(メタデータのプリフライトのようなもの)、CIP4はユーザ定義データタイプ(例えば変換で使用される「長方形」、「マトリクス」あるいは「色の名前」など)を作成することができます。

JDF仕様書は、ファイル命名(例えばホットフォルダ交換時のURL/URI使用)の仕様やJDFおよびコンテンツファイルのMIMEマルチパートメッセージでのパッキング方法を規定します。 両者ともHTTP(Hypertext Transmission Protocol)を使い、TCP/IPネットワークを想定しています。ネットワークプロトコルおよび交換方法の選択は、工程自動化プログラムだけでなく、JDFのXML構成要素にとっても重要となります。

JDF仕様書はJDFスキーマとともに無料で公開されており、www.cip4.orgから入手できます。 公開スキーマは、CIP4の柔軟な環境の要求事項すべてに対応しています。実際には、ワークフローに対応した構成要素だけを使用してスキーマのグループを作るほうが便利かもしれません。この点については以下で詳しく述べます。

JDF仕様書が扱う分野全てを単独で実行するデバイス(プリンタ、プレス機、画像設定機など)はありません。例えば、デジタル印刷業の場合、ハードケース綴じに関するデータのサポートはそれほど重要ではありません。また、RIPがJDFプリフライトをサポートする必要はありません。ステッチャーが画像レンダリングデータを扱うことはおそらくありません。JDF処理を行う必要があるデバイスのグループを特定するため、CIP4会員は、デバイスの各グループの標準を規定する相互運用性適合規格(ICS)文書を作成しました。ICS文書は認証試験の基礎として使用されます。CIP4は最初の認証試験機関としてグラフィックアート財団(GATF)に登録されました。欧州やアジアの他機関も登録申請予定です。認証プログラムが進むにつれ「JDF認証」と記された製品が増え、各ICS文書が適用されます。ICS文書は既に発行され無料で公開されています。ICS文書が製品購入時の指針となることが期待されています。

JDFの3つの主な機能


理論的にJDFは3つの主な機能を備えています。第1の機能は、印刷ジョブのライフサイクルをサポートする共通言語の提供です。これが、JDFが「ジョブチケット」言語と呼ばれる理由です。しかし、機能はそれだけではありません。第2の機能は、製造現場のデバイスに対する指令言語の提供で、ジョブメッセージングフォーマット(JMF)と呼ばれます。JMFは個別の仕様として扱われてきましたが、実際はJDFの一部です。JMFは、制御ワークフローシステムや工程自動化環境にあるMISが、デバイスに対しジョブの開始・終了やキューの再オーダーなどを指示できるようにします。 第3の機能は、ワークフロー構築、工場自動化やジョブ製造の指令、制御、設定に関する柔軟な手法の提供です。JDF1.2には、以下のような改良が加えられました。

  • プリフライト機能の追加
  • JMFメッセージングの改良
  • ファイル命名およびMIMEコード化仕様の厳格化
  • 品質管理および色管理機能の追加
  • 「デバイス機能」の追加


Staple Typesまた、JDF1.2に新たに追加された第4の機能として、デバイス機能によって可能となったハンドシェイクの自動化が挙げられます。例えば、JDFにはステッチャーが使用する5種類のホッチキスの針があります。新しいステッチャーがJDFワークフローに追加された場合、管理ワークフローシステムあるいはMISは、新しいステッチャーがどのホッチキスの針をサポートしているかを把握していなければなりません。「ハンドシェイク」とは、デバイスがサポートする一連のJDF要素および属性をMISやワークフローシステムに伝達することです。

こうした調整や「ハンドシェイク」はかつてプリンタが行うか、プリンタのベンダーやコンサルタントのサポートを得て実施していました。NGPやPrintCityといったグループの中には、参加企業のデバイス間のハンドシェイクを構築しているグループもあります。こうしたグループの企業から製品を購入した場合、確実にハンドシェイクが確立され、パートナー間のデバイスが事前に統合されていることでしょう。JDF1.2のデバイス機能により、1.2対応デバイスがJDFのどの点を管理できるか、またはできないかについての詳細を自動的にクエリすることが可能となります。これは、プラグアンドプレイの総合的な相互運用性を実現するための重要なステップといえます。JDF1.2対応製品が数多く市場に出回り、バイヤーがこうした自動ハンドシェイク機能を活用するまでにはもう少し時間がかかりそうです。

「ジョブチケットフォーマット」としてのJDFの役割


ジョブチケットのアナログ版は、ジョブに関する指示や仕様を含むルーティング情報が記録されたエンベロープやフォルダです。ジョブチケットは、購入・顧客情報を伴う販売から始まり、見積、スケジュール設定、製造を経て、最終的には製造現場に至ります。各従業員が各業務を行い、作業を完了するとジョブチケットが次へ進みます。JDFでは同じ機能をデジタル処理することが可能です。アナログのジョブチケット同様、顧客や販売担当者から集められたジョブに関するメタデータから始まります。この顧客「意志」情報だけでは製造工程を動かすのに十分でない可能性があり、さらなる情報入手が必要となります。 JDF Tickets顧客が見積段階で「80ポンド、オフセット、マット、白」と指定した場合、従業員がブランド名を追加し、在庫状況やジョブの印刷に必要なシートあるいはロール紙の実数量(工程内の損紙などを考慮に入れた多めの量)を確認します。

同様に、JDFにはジョブインプットデータおよび材料に関する2つの基本的カテゴリーがあります。それは意志と工程です。顧客意志は保ちつつ、ジョブがライフサイクルを進むに従い、ジョブが続行可能になる(実際に工程が実行される)まで工程データが追加されます。したがって、JDFを使用することは、ジョブに関する全てのデータを事前に集めておくということではありません。JDFインスタンスはジョブのライフサイクルを通して拡大することができ、全てのデータを入力する必要はありません。JDF構想の中には、導入時にジョブメタデータを保持することでデータの再入力をなくし、誤伝達や余分な作業、混乱といった内在する問題を避けるという考えがあります。JDFメタデータのソース例には以下があります。

  • 顧客ファイルとメタデータ - 顧客自身のファイルがメタデータのソースとなり、自動的に抽出できます。また、ファイルがJDFデータを転送するJDF対応ツールとなることも可能です。
  • JDF対応プリフライトソフトウェア - プリフライトソフトウェアの有名企業数社が、プリフライト機能から抽出されたJDFデータを提供する機能を追加しています。
  • 貴社のウェブサイトやEコマースパートナーを介しての顧客による入力 - PrintTalkベースのEコマースツールやサービスを使用している場合、知らないうちに利用可能なJDFデータを既に所有していることもあります。
  • 所有する機器のデフォルトおよびプリセット – 製造仕様をシステムデフォルトとして設定できます。例えば、ホッチキスの針の例では、あまり使用されないタイプをデフォルトに設定することができます。
  • MISのジョブ「プロファイル」およびデフォルトセット – 多くの空白を埋めるために使用するジョブタイプをあらかじめ設定できます。特に、文庫本印刷のように似た属性を持つジョブが中心となる場合です。1つのジョブの設定を行うと、各ジョブに特有な点に集中することができます。
  • 直接入力 - 最後の選択は、オペレータによる直接入力です。

JDFを「チケット」として使用し、チケット内で1つのジョブに1つのファイルを保持し、そのファイルに追加していくという形をとる企業もありますが、大半の場合、「ジョブチケット」とはワークフローを制御するソフトウェア内のデータベース内の仮想コンストラクトを指します。JDFは本来、システム間の交換フォーマットとして使われます。ワークフローシステムが製造現場のデバイスを操作する際に、工程の特定段階に関する仕様を含むJDFインスタンスを用意し、転送するだけで済みます。

したがって、JDFは印刷ジョブのライフサイクルを通してジョブデータを保存するための標準言語であり、単なるジョブチケット以上の役割を担っています。実際、JDFの2つの重要な機能は、品質管理(QC)データおよび各工程(開始時間、オペレータ/シフト、エラー/ウェイスト、終了時間など)に関する監査情報の収集です。監査およびQCデータは電子データの形で直接デバイスから提供されるため、実際のコストと見積の差異、ワークフロー内の障害、工程内の余分な生産の自動調整などを解決する際に使用できます。また、管理者が計画改良やリソース配分の最適化、顧客に役立つジョブ情報の提供などを実施するために必要な、製造の全体像を改善する目的でも使用されます。

MISの役割


JDF仕様書で使われる「MIS」という用語はどちらかというと適切ではありません。MISは「Management Information System」の略であり、1960年代には報告システムを意味し、1970~80年代には会計、請求、在庫、その他マネジメント監視機能などを含むようになりました。JDFで使われるMISは、工程自動化プロジェクトにおいて期待される業務・製造機能であるワークフローおよび製造管理システムを含みます。当業界には、マネジメント報告、会計などを含む企業全体のシステムから印刷前工程のみを制御する部門別ワークフローシステムまで多岐にわたる規模や種類のMISシステムがあります。

基本的なことですが、これらのシステムはJDFインプットを受け取り、JDFを分解し、内部データベースにデータを保存できなければなりません。また、アウトプット用にデータベースからJDFを構成する能力も必要となります。(一方向のみのワークフローシステムには注意しましょう。JDFを受け入れるがアウトプットできないシステムは、最終的に工程自動化プログラムの障害となります。) 当要求事項は、これらのシステムがJDFの読み込み・検証を行うとともに、JDFの作成・検証を行う能力が必要であることを示唆しています。

検証とは公開されたJDFスキーマあるいは正常に機能するサブセットに対してJDFインスタンスをチェックし、ストラクチャの規則が順守されているかを確認するプロセスを意味します。検証機能を統合している企業もあれば、第三者が開発したツールを使用している企業もあります。重要なのは、市販のXMLスキーマ検証ツールであればすべて使用可能というわけではない点です。JDF仕様書には、市販の一般的検証ツールでは検証することができない“IF-THEN”条件が含まれています。例えば、ICC色プロファイルのアウトプットが、別のICC色プロファイルを既に持つ文書ファイルに組み込まれた画像と関連付けされ、2つのプロファイルが一致しない場合、文書に最初からあった色プロファイルのアウトプットが優先され、新しい画像を変換しなければならない場合もあります。こうした条件は、グラフィックアートには一般的です。JDF仕様書には、JDFインスタンスに値が存在する場合、デフォルトがある時点で設定される例が多数あります。CIP4が提供しているJDF検証ツール(会員向け)であるObjective AdvantageまたはAdobe は、こうした“IF-THEN”条件だけでなく、多くのベンダーがJDF MIS製品に構築している埋め込みシステムを考慮に入れています。

JDF MISあるいはワークフローシステムは、ジョブを実行するために製造現場のデバイスに命令できなければなりません。これは、工程自動化およびコンピュータ統合製造の主な目的です。こうした指令機能を実現するためには、JDF MISおよびワークフローシステムがJMFの理解や読み書き能力を備え(詳細は以下を参照)、インプットやワークフロー内の各デバイスのパラメータ要求事項を保存、活用する能力が必要となります。

最重要要求事項は、JDF MISおよびワークフローシステムがJDFジョブを構築する能力です。JDFはワークフローに対し、「レゴのような」アプローチをとります。仕様はおよそ80の異なるプロセスを特定し、それらのプロセスにいくつかの「リソース」を関連付けます。 Resources JDFではプロセスに関連付けられるインプット・アウトプット材料およびパラメータ(メタデータ)であるリソースがおよそ160あります。JDFワークフローでは、1つのプロセス「ノード」というアウトプットが次のインプットとなるため、「リソース」という用語は単数形です。特定のジョブに必要な全てのインプットがシステムによって利用可能となると、次に進むことができます。例えば、刷版設定機のアウトプットは画像刷版で、その刷版はプレス機のインプットとなります。プレス機は刷版が完成しないと運転を開始できません。オンボードコンピュータも持たずにマニュアル作業が行われる従来のシステムも、こうした方法で管理することができます。ターミナルあるいはパッドでオペレータがジョブの詳細や指示を伝達し、「完成時間」や「オペレータID」といったインプットを作成できます。

JDFには、最も複雑なワークフローに対応するためのオプション機能も搭載されています。例えば、JDFはジョブの発生や結合を可能にします。この機能は、数種の背丁を何台かのプレス機で同時に印刷する場合や、表紙を同時に印刷し、残りのページを綴じの段階でまとめる場合などに使用できます。また、生産工程の一連のインプットおよびアウトプットと共に機能する「複合工程」を作成することもできます。例えば、デジタル印刷デバイスの多くは複合RIP、プリンタ、仕上げ装置から構成されていますが、インプットとアウトプットのセットは1組しかありません。実は従来の印刷も、インク、紙、裁断、測色などの工程を同時に実行していることから、複合工程と言われているのです。インクシステムは最大・最小値を組み入れた特殊な生産工程を使用することがあります。インクつぼやタンクが少なくなってくるとインクシステムはオフラインに切り替わり、補充されるまで運転を停止します。補充とは、ある特定の最大量に到達することと定義できます。JDF MISやワークフローシステムを選ぶ際には、こうしたオプションを考慮に入れることも大切です。

JDF MISやワークフローシステムのオプションとして、JDFと旧デバイス制御言語間の変換を行うミドルウェアなどを提供するベンダーもいます。例えば、プレス機メーカー大手数社は、数年間に渡り、自動化の進んだプレス機を提供してきました。こうしたミドルウェアは、独自に開発した工程自動化言語からJDF対応環境へ移行する際に重要となります。オプションとして、JDF MISあるいはワークフローシステムに、見積、CRM、スケジュール設定、在庫管理、顧客報告、会計、請求、Eコマース、ERPシステムなどの導入や接続も可能です。例えば、統合された紙在庫システムでは、在庫量の削減、損紙の低減、ジャストインタイム生産システムへのステップアップなどが可能となります。

おそらく、検討すべき最も重要なオプションは、JDF MISおよびワークフローシステムが拡張子を処理できる能力です。JDF仕様書は、各工程やリソースに関連付けを行う全てのXML要素および属性をほぼ網羅していますが、仕様書が考えられる全ての可能性まで網羅しているとは言えません。JDF仕様書の拡張が必要となる独自の機能を有するベンダーにめぐり会うこともあるでしょうし、顧客や市場特有のデータ要求事項に対処するため、独自の社内システムを自身で開発し、独自のJDF拡張を使用する場合もあるでしょう。

製造現場におけるフロントエンドシステムやデバイスが、理解していない拡張子を転送するだけであるのに対し、JDF MISとワークフローシステムは拡張子を理解し活用できなければなりません。JDF拡張子としてのみ利用できる特定のジョブパラメータを必要とするデバイスを製造現場に追加する場合、JDF MISやワークフローシステムは、そのデバイスが拡張子に必要な値を提供できる場合に限って、デバイスを操作することができます。そうでなければ、ジョブがいつ次工程へ進むことができるのかを把握することができません。拡張子は重要ですが、慎重に扱う必要があります。このコースを終了すると、ベンダーの拡張子に対するニーズが正当なものであるか、顧客を惹きつけるために既に特定されているJDF要素や属性の言いかえをしているだけなのか、が判断できるようになります。ベンダーは拡張子の文書を提出できなければなりません。CIP4は、JDF仕様書に含めるべき拡張子をできるだけ提出するようベンダーおよびユーザに呼びかけています。

JDF実装戦略


工程自動化やJDF実装の第1段階は、戦略開発と実装監督の責任者を決めることです。しかし、1人で担当するのは不可能です。また、JDF実装プロジェクトのリーダーがプログラムの計画、実装を行う際、上級管理者のサポートがあり、部門長および主要従業員の協力をいつでも得られる体制になっていることを確認する必要があります。さらに、チーム内に顧客サポートスタッフやベンダーを含めることも大切です。

ベンダーに関しては、現在使用しているベンダーのJDF実装計画について知っておく必要があります。また、既に所有している製品の中でJDF対応アップグレードが備わっているものはどれか、これらのアップグレードは自動なのかオプションなのか、拡張子についてはどうか、なども確認します。

現在の環境を文書化し、製造現場の機器およびシステムに対するベンダーのアップグレードパスと比較します。何か抜けているところはありませんか?今後、取引の可能性があるベンダーは時宜を得たJDF実装計画を用意していますか?それとも、ベンダー製品の将来のサポートがない状態ですか?JDF機能を必要とする特注システムはありますか?また、旧デバイスとJDFシステム間の伝達を行うミドルウェアは必要ですか?ベンダーの中にこうしたミドルウェアを提供しているところはありますか?

社内全体でのJDF実装は短期ではおそらく実現不可能です。おそらく、数年間にわたって通常業務内にJDFを少しずつ組み入れていく方法を考える必要があるでしょう。成功の秘訣は、一刻も早く投資収益を得ることです。企業によって優先事項や環境は異なります。顧客ニッチや製造ライン、部門、工場(大企業の場合)の中で交換を必要とするものはどれか、また、改善が最も必要なものは何かを検討します。さらに、企業の目標や短期収益を実現できる分野は何かを検討する必要があります。限られた実装で速く収益を得ることに焦点を置くと、経験から学ぶことができ、社内全体での実装に向けて収益を最大化する方法を知ることができます。

Profectusが自動工程化の実施による潜在的利益について2002年に行った調査によると、年間1千万ドルを稼ぐ北米のプリンタは、5年間で120~500万ドルの潜在的利益を生みだすことができるとの結果が出ました。以下がその例です。

  • ウェブインターフェース – 印刷物の購入およびジョブに関する情報のコミュニケーションにウェブインターフェースを導入することで、顧客データの取得、データ再入力の削減、顧客とのやり取りの効率化を実現できます。

  • コミュニケーションの改善 – JDF実装により、顧客と従業員間、部門間の行き違いを削減でき、作業のやり直し、遅れ、ジョブの紛失などの削減につながります。

  • 顧客満足度の向上 - コミュニケーションを改善し、顧客に適時かつ正確なジョブ情報を提供することで、顧客維持を改善できます。

  • 生産性向上 - リソース全体にわたる作業やバランスロードの削減、ワークフローの障害の除去により、生産性を向上させることが可能となります。

  • 無駄の削減 - ワークフローの各段階や各ジョブにわたるリアルタイムでのカウントや使用日を把握することで、余剰印刷や実際の無駄、工程間の無駄を最小限に抑えることができます。

  • 請求の精度向上 - JDF対応ワークフローでは、ジョブ仕様から多岐にわたる顧客の処理(対応、見積、請求)が改善され、精度の高い請求書を顧客に提供できるようになります。その結果、支払の迅速化や費用をめぐる争いの削減が可能となります。


優先事項や全体の効果は企業によって異なります。専有システムである程度の工程自動化を実現した企業もあります。短期でみると、JDF対応システムとそれほど変わりがありません。しかし、長期的には、JDF対応システムのメンテナンスやサポートと比較すると、専有システムのメンテナンスやサポートは負担になります。これが、当業界における全てのデバイスに共通する言語の利点です。こうした状況は、CTPへの移行と似ています。顧客からデジタルファイルを受け取り、面付けしたフィルムをアウトプットする体制が既に出来ていた場合、移行は簡単で、依然としてプロセスカメラやストリッピングフィルムを使用している企業と収益にそれほど差はありませんでした。しかし、これらの企業は発展を続け、移行により得られる収益も増えていったのです。

投資収益に関する優先事項と目標を設定したら、成功をはかる物差しと成功を評価する方法を決めなければなりません。最後に、このコースを読み進みながら、JDFのオプションについて検討し、メモをとり、JDF購入に関する方針およびベンチマーク基準を作成しましょう。堅実な購入計画を!

JDF対応ツール、アプリケーション、リソースの入手場所


www.cip4.orgから無料で入手できるリソースには、チェックJDFアプリケーションやJDFエディタ、仕様書やスキーマなどがあります。 製品やサービスに関する情報がさらに必要となることを見越し、四半期ごとに「JDFマーケットプレイス」というPDF文書を発行しています(ダウンロード可)。JDFマーケットプレイスには、全タイプの製品、開発ツール、コンサルティングサービス、教育プログラム、研修に関する情報が掲載されています。
また、www.cip4.orgから無料のJDF会報に登録することもできます。Eメールで送信されるニュースレターで、変更や開発に関する最新情報、製品発表、ケーススタディ、CIP4会員による記事などが記載されています。

ユーザ向けCIP4会員(印刷会社、出版業者、バイヤー、コンサルタント、プリプレスサービス業者)費用は1社当たり年間150ドルです。入会した企業は、全従業員がEメールフォーラムやワーキンググループ、サンプルコード、文書・メールメッセージのアーカイブ、JDFプログラマAPI(自分で実施する場合)などの会員限定情報にアクセスできます。フォーラムには、技術的な質問に対する回答を多数掲載しています。

drupa、Graph Expo、Printといった業界の主要イベントに参加を予定している場合は、CIP4が「JDFパビリオン」や「JDFパーク」を主催しているかを確認してください。こうしたプログラムでは、CIP4会員が参加者のために、ベンダー間の統合や相互運用性のデモンストレーションなどのJDFライブデモンストレーションを実施します。これらのイベントでは通常、知識向上のためのプレゼンテーションや情報ブースなどを企画しています。

ベンダー(販売業者も含む)に、ベンダーが提供できるテクニカルサポートや研修についてお問い合わせください。JDFに関するセミナーを世界各地で実施しているベンダーもいます。CIP4がIPAを通じ、インターネットを介してオンデマンドで提供しているJDFエキスパート認証プログラム(13セッション)もあります(詳細についてはwww.ipa.org/jdf/を参照)。また、グラフィックアート技術財団(www.gain.org)およびフラウンホーファーコンピュータグラフィックス研究所(連絡先:Stefan Daun氏、アドレス:Stefan.Daun@igd.fhg.de) も多岐にわたるJDFプログラムや研究を実施し、さらなるサポートを提供します。